手元に1~10までのカードから2枚。それが1と10だったとして、
次に配られるカードが2~9なら全財産が倍に、1か10なら全額没収というゲーム。
皆さんならどうしますか?乗る?降りる?
日生劇場ミュージカル「ラグタイム」日生劇場/大阪/愛知公演 ツアー大道具
ラグい(ズレた)リズム、つまり裏拍を強調した黒人音楽のジャンル。
でもラグという意味の割にクラシック音楽と同じで即興性は無く、きちんと作曲されて譜面どおり正確に演奏されるんだって。面白いですよね。
セットの規模といい豪華なキャストといい、東名阪だけの短いツアーじゃもったいないわコレ。
関係者の皆さまお疲れさまでした!当社の担当さんたちもありがとう!
舞台「最高のオバハン 中島ハルコ」稽古場~シアター1010~全国ツアー公演 演出部/大道具
真夏の稽古場から10月の終わりまで、実に3カ月という長い期間をかけて全国を駆け巡った話題作、無事終了しました。
「マイフェアレディ」のイメージが強く、コミカルさと美しさが同居した本物のコメディエンヌとしてご活躍の大地真央さん。なんと今年で芸能生活50周年だそうで・・・。いや嘘やろ?嘘ですわ。笑
もちろんどの会場も大盛況だったそうです。
担当さん達お疲れさまでした!
冒頭は今から20年以上も前、劇場付きの大道具が名古屋に100人以上も居た頃に実在した「カンチャン」というそれはそれは凶悪で伝統的なカードゲームのお話。
参加者は10人くらいで車座になり、アンチと呼ばれる参加料(碁石ね)を場に1つ支払います。
アンチ(碁石)は自分の番が回ってくるたびに原則として1つ追加で払うので、車座を1周するごとに場には参加者分のアンチ(碁石)が溜まります。
配られた2枚のカードの数字の幅が広ければ更に碁石を追加してカードを引き、それが数字の間に入れば追加した分と同じ数を場からもらえる。入らなければ出した分をそのまま場に取られる。
もちろんアンチ1つ(くどいけど碁石)を払って降りる(流す)こともできる。
年末恒例の温泉忘年会。何度かのスルーのあと、下っ端の僕に配られたカードは1と10。つまりこのゲームで最強のカード。
場には全財産を優に越える山のような数のアンチ。
僕は迷わず「全部」とコールしました。
「おい大丈夫か?」「わかってんのか?」盛り上がる先輩たち。
「大丈夫っす」「1と10で降りるなら最初からカンチャンなんてやらないっす」と生意気な下っ端。
自分の度量を越えるようなチャンス・・・お金のことに限らず、心臓がヒリヒリするような「賭け」の場を経験した事がある人も多いんじゃないでしょうか。
たとえば入試だって一種の賭けだし、就職だって結婚だってある意味ではギャンブル。
「1と10」を手札に勝負の土俵に立つ。そのために勉強したり身なりを整えたりする訳で。
この会社を創業した時。事業拡大に踏み切った時。
工場を作ったり制作部門を設立したり、たしかに節目はいつも怖くてたまらなかった。
でもですよ?そのとき持ってたのは間違いなく最強のカードだったんです。
リスクはもちろんある。でも降りるのは違う。絶対に違う。
「ち〇ち〇ついとんか!?」「ついとるわい!!」
なら最強のカード握りしめて飛び込まんかい、と。
・・・場が静まり返る中。まんまと1を引いた僕は膝から盛大に崩れ落ち、先輩たちの大爆笑を背に明け方の大浴場で涙を洗い流したのでした。
意地でも払いますとは言ったものの結局払い切れんかったなぁ、碁石。
忘年会シーズンが近づくたびに思い出す、古き良き時代のお話でございました。
後悔してないよ?だって最強カードやもん。ち〇ち〇ついとるもん。