甲子園も終わり、オリンピックも終わり．．．
今年の夏もボルトばりの駆け足で過ぎ去りました。
そして弊社の最も忙しい「芸術の秋」が来ます。
芸術とは何ぞや？という議論はこの業界のお酒の席では必ずといっていいほど熱い議論に発展（いわゆるケンカ）しますが、いつも答えは無くグダグダに。
答えが無いのが芸術なんだよ！なんて中途半端な火消しに走ろうもんならそりゃあもう顔面唾だらけにされるくらいの集中砲火を浴び．．．
いや冒頭から話が逸れました。リアルステージです。

今年の夏も忙しく過ごしました。ありがたいですね。
が、、肝心のブログのネタになる（写真）を撮るのを失念しておりまして．．．ええ。
この事実を思い出したのが、8月終わりに開催された「川口バレエ　巡回公演」の最終日という。いわば夏最後のお仕事の休憩中の雑談の中でした。
という訳で今回は「川口節子バレエ団　名古屋巡回公演」瑞穂文化小劇場～港～中村～中川　
中川区公演の最終日の模様から。


バレエの普及を目的としたこの名古屋市主催の巡回公演。
なんと700円で名古屋が誇る一流バレエ団の公演を観れるという好評の企画です。（もう終わっちゃいましたが）
最終日、舞台に登場したのは舞台監督Ｆ（実はオペラのが好き）お得意の「シャボン玉マシーン」！！！
舞台一面シャボン玉まみれにしてやるぜ～！！と、ササっと仕込み完了。
Ｆ氏の少ないお小遣いで買いこんだサーキュレーター（扇風機ね）で拡散してやるぜ～！！と、メルヘンな怪気炎をあげてスイッチオン。
・・・うれしそう笑
五日間毎日仕込んではバラシ、汗だく移動、また仕込みを繰り返し、若干死んだ目のスタッフ一同も少しだけ和みました。（うれしそうな姿にね）
弊社からは私と新人というジェネレーションの幅の大きすぎる2名で参戦。
良い経験になったんじゃないかと思いきや、公演の一番の思い出は「初日打ち上げで行った中華料理屋の青菜炒めの味」だそうで。おい。
いや笑った。いいお仕事でした。

そして今月からは10、11月東京帝国劇場公演、のあと全国を周るミュージカル「ミス・サイゴン」のリハーサルに突入しました。
写真は稽古場「すみだパークスタジオ」入口。どうみても一般倉庫な建物の中で、あの誰もが知るミュージカルが作り上げられていくんです。意外でしょ？
弊社からはツアー大道具、稽古場対応で3名が参戦しております。

例によって稽古場自体の撮影はＮＧ。
朝の顔寄せでは「名古屋から恒例のリアルステージさんです！」とご紹介いただき、全員耳真っ赤。笑


台本チェックか？感心。とよく見たらパンフレットチェックかよ。いや大事やけど。
稽古場喫煙所からはスカイツリーが。
市村正親さん、ダイアモンドユカイさん、知念里奈さんなどのミュージカルスターがフラフラとリラックススタイルで通り過ぎたりして。
スーツで行った私は裏目に出て、すれ違う全員から非常に丁寧な挨拶をいただきまして。。おまえ誰やねん状態。
ここで10月の半ばまでみっちり稽古をして、劇場に乗り込む訳ですね。
弊社の配置としては11月からの帝劇公演～全国公演に追加で1名、さらに地方公演に4名追加と大所帯です。
愛知公演は来年1月、我々のホームである愛知芸文です。非常に見応えのある本格ミュージカル、皆様ぜひ足をお運びください。

毎回色々なお仕事をネタにこのブログをアップしながら感じる違和感。
ここになかなか登場しない我々のホーム「愛知県芸術劇場」での様子です。
ブログという不特定多数の方にご覧いただく場所なので、どうしても派手？な現場方面にスポットを当てがちですが、
こうして毎日黙々とこの愛知、いや全国でも最大にして最古の（モンスター劇場）の安全を守り、どうしたら利用者の使いやすい劇場になるのかを「真剣に」考え、忙しさに休みを削られ、責任を持ち、見上げすぎて首を痛め、来る日も来る日も「管理」する事に徹する。そんな弊社スタッフが私達リアルステージのメイン業務を支えています。
写真は電話対応中の弊社新人田中。がんばってますね。

「働くという事は我慢なのか？我慢の対価が給料なのか？
毎日朝から晩まで働いて、やっと帰って少し寝て、また新しい朝が来る。
仕事が面白い。そんなの幻想じゃないのか」
私共の業界を志す方とお話する機会がある時、必ず思うんです。
どんな業界だって夢だけでは成り立たない。長年我慢して、技術と知識を蓄えて、ある日その蓄えが役に立ったと感じた時。
自分の経験が誰かを守った時。そこに評価やお金が発生した時。
初めてエンターテイメントを仕事にしている事の意味を感じるんじゃないか、と。対価ってコレなんだな、と。
観客は出演者に拍手を贈る。出演者はスタッフに。スタッフは劇場に。
こんな業界、他に無いな。

夏の終わりにそんな事を思いました。

最後に意味不明なのは私の悪い癖ですかね。また。