皆様こんにちは。
「観劇にはマスクをお忘れなく」と呑気な言葉で締めくくった先月のブログが懐かしいくらい
現在、史上最も凶悪な疫病が世界を席巻していますね。
どこを探しても必要なマスクは無く、演劇、コンサートといったエンターテイメント業界は自粛ムードに飲み込まれました。
弊社も例に漏れず、3月の劇場管理以外のお仕事の90パーセント以上がキャンセル。
嘘みたい。
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名古屋市文化振興事業団主催ミュージカル「アニーよ銃をとれ」
大好評のうち無事閉幕しました。
関係者の皆様、大変お疲れ様でした。ご観劇いただいた皆様、いかがでしたか?
これ実は仕込み風景をカメラマンに撮ってもらったんですけど、いや~やっぱプロは違うよなと。
めちゃカッコよく見えん?いや実際大道具さんってカッコいい職業ですけど、それにしてもねえ。
こうやってしっかり撮ってもらってみると、作業美ってのかな。没頭中の潔さみたいなオーラが最大に出ますよね。
…まあでも正直、僕の現役時代のほうが絶対カッコいいけどね。
撮ってもらったデータは、弊社の広報に広く活用するつもりです。お楽しみに。
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さて冒頭でも触れましたが、日本中、いや世界中でエンターテイメントの自粛、中止が広がり、
そこで生計を立てる僕達はいま、大きな岐路に立たされています。
誰もがエンターテイメントそのものの価値を見つめなおし、そして誰もがそれを「最も後回しにしていい産業」なんだと気づいてしまいました。
劇場やイベントスペースは当然感染リスクが上がります。観劇で人生が変わってしまう「かもしれない」んです。
当然ながら僕たちは非常に苦しい状況ではあります。
でもね、これだけは書き残しておきたいと思います。
エンターテイメントは過去、疫病や戦争に負けた事がありません。
はるか昔、ペストが流行して外出禁止令が出た中世ヨーロッパでは、引き籠った者同士で退屈しのぎに物語を作り披露し合ったそうです。
今は場所が無くなっても、不謹慎だと叩かれても、いずれ必ず平和と共に復活します。
人は食べ物だけ食べてりゃ生きられる訳じゃないんです。
誰もが初めての、誰も治療法や最善が解らない、全員が当事者という前代未聞の最悪のこの環境の中で、
感染した人を悪く言ったり、政府の方針を批判したり、誰かのせいにして憂さ晴らしするような風潮になってしまっているのは、もしかしたら仕方のない事かもしれないんだけど、
考えてみてください。いま一番大変なのは、未知のウィルスを最前線で受け止め、自分が感染するリスクに怯えながらも感染者を助けようと
寝食を横に置いて戦い続けているお医者さんと、世界を救うために特効薬を開発しようと研究を続ける研究職の皆さんなんじゃないでしょうか。
エンターテイメントなんてこの際忘れてもらっていい。
断言します。今は必要ない。
いま一番大切なのは、自分と家族と、自分が愛する人達の命です。
マスクをしましょう。手洗いうがいをしましょう。なるべく人混みに行かないようにしましょう。
いつかまた劇場に人が溢れて、忘れられない歌やセリフに出会える時が必ず戻ってきます。
エンターテイメントが誰かに響く時が戻るまで。そこまでの辛抱です。
ウィルスに感染してしまった方の一刻も早い快方と、医療、研究職の方の無事を心より祈っています。