少しだけだぞ?

2025-11-10

【CLUB SEVEN another place Ⅱ】稽古場~東京/大阪公演 演出部

9月の頭~10月末までと、繁忙期ど真ん中を駆け抜けた今年のクラブセブン。
いつか観てみたいと思いつつも毎年むちゃくちゃ忙しい時期だし、名古屋公演無いしで今回も拝見できず。
関係者の皆さま今年もありがとうございました!担当さんたちもお疲れさまでした!

 

【八代目尾上菊五郎襲名披露 第五十一回吉例顔見世】@御園座

先月のブログでも少し触れた音羽屋の襲名披露公演、無事終了しました!
舞台稽古は客席から拝見しましたが、眠くならなかったのは今回が初めて。
笛に太鼓、鐘の音。時々堂々と見切れる半纏姿の大道具や黒子。
歌舞伎って美しい。ウチの社員さんたちもホントにカッコよかった。

ちなみに道成寺の鐘は映画「国宝」で使用された物をそのままお借りしました。(!)
ご協力いただいた皆さまありがとうございました!

 

やっと今年一番の難所を乗り切った達成感で僕個人としては腑抜け状態。
いや~・・・ほんと社員の皆さんは極限状態をよく乗り切った。屈強の外注大道具さんたち(社員さんより人数多かった)も素晴らしかった。
結果としてはミスもトラブルも無く、無事に幕を閉じる事ができただけでもう100点満点でございます。

5月の松竹さんとの顔合わせから10月末の千穐楽まで、実に半年。
本当に毎日いろいろな事が起こり、陰で
色々と言われ。聖域に踏み入った新参者はこんな扱いを受けるのか・・・と。これが当時の率直な感想。

ただ、今になって思い返してみると・・・そんなのも軽く受け流せるくらい、僕たちは静かに燃えていました。

歌舞伎は品格とお行儀。
逆恨みから指名手配犯のような扱いを受けていたものの、それは歌舞伎に関わる者として品格に欠けると断罪してくれたり、お行儀が悪いと切り捨ててくれた界隈も少なからず居て。
おかげで僕たちらしさを見失うこともなく、歌舞伎界を敬愛したまま初日を迎えることができた訳です。

どんなに良い人間でも、きちんと頑張っていれば誰かの物語では悪役になる。
10人のうち10人から好かれるなら、それは頑張っていないということ。
僕ならできる、僕たちならできる、と。雑音を振り払いながら進んだ日々は、音羽屋の美しい舞踊と無事に迎えた千穐楽で完璧に報われました。

「御園座大道具です。千穐楽おめでとうございます。」
なるべくご本人の目を見ながら、手をついてハッキリとお伝えしました。
軽々しく口から出たのではなく、僕なりに覚悟を背負って御園座を
名乗ったつもりです。

という訳で、しばらくは達成感と余韻に浸りつつ・・・
今回ばかりは自分のことも少しだけ褒めてあげてもいいよな?なんて思っています。

まぁよう頑張ったわ君も。お疲れさん、と。