その昔「梨園の孤児」と呼ばれた、一人の歌舞伎役者。
他門の助けを借りる事を潔しとせず、革新的な芸術志向を武器に歌舞伎界に新風を巻き起こした彼は当時、仲間や評論家にこっぴどい批評を受けていたそうです。
孤立無援の逆境と戦い、それを跳ね除け、独自の新しい領域を切り開き
満員の客席を飛ぶ彼にはどんな景色が見えていたんだろう。
甘っちょろい僕には想像も付きません。
ミュージカル「ベートーヴェン」日生劇場~福岡/愛知/兵庫公演 ツアー大道具、小道具
日本初演の話題作、大好評のうち無事終了しました。
日生の千穐楽が年末12/29、そこから博多へ移動して大晦日&元日から設営という恒例の年またぎハードツアーでした。
担当した9名の社員さん達、本当にお疲れさまでした!
バロック音楽劇「ヴィヴァルディ-四季-」 美術製作/納品設営(愛知、兵庫)
昨年に引き続き、音楽劇の美術製作と設営を担当させていただきました。
なぜかこの年末年始は偉大な音楽家がモチーフのお仕事が多く、クラシック音痴の僕としては恐縮・・・でございました。
良いお仕事をありがとうございました!
一月某日、都内某所
三代目・市川猿之助、四代目・市川段四郎を送る会に参加させていただきました。
前夜にはお誘いいただいた井口氏(澤瀉屋を何代にも渡って支える舞台監督)と男二人、銀座の街中華で澤瀉屋の思い出話に花を咲かせました。
当時はまだ一般的じゃなかった鉄骨組の大屋台やレーザー、電動の仮設舞台機構、建設現場のような仕込み風景。
一切の妥協を許さない三代目の演出。永遠に終わらない稽古。
何日も舞台に泊まり込み、明け方にカップラーメンをすすりながら気絶した事。
あれだけ苦労させられたんだ、明日は文句の一つも言ってやるんだ、と笑いながら別れた・・・んだけどね。
当日、いざ祭壇を前にしたら・・・文句どころか感謝の気持ちで胸がいっぱいになってしまって。
お写真に圧倒されながらも、精一杯のご冥福をお祈り申し上げて参りました。
三代目が創ったスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」は今月、新橋演舞場にて大絶賛公演中です。
なんで歌舞伎に「スーパー」が付くのか、劇場を出る頃にはわかると思います。
もっといろいろ書きたいけど、このくらいにしとこ。
御園座公演は5月。皆さま是非ご観劇ください。